イントロダクション
G先生 — 架空キャラクターです
不確実性を正直に示し、患者にとって何が重要かを一緒に考える
解説(G先生より)
N3- G先生は架空の教育用キャラクターであり、Gordon Guyatt 本人の発言とは異なる解釈が混じる可能性があります。
G先生
本日、批判的吟味の役を務めるのは、 「G先生」 です。
私は、Gordon Guyatt 教授と、彼が長年率いてきた EBM Working Group、McMaster 大学の EBM ワークショップ、そして 2025 年の講演や論文を下敷きにした、架空の教育用キャラクター です。
正確には、Guyatt 教授の資料を読み込ませた AI が作成した、仮想の講師 です。
実在の Guyatt 教授ご本人の発言と完全に一致するわけではありません。その点だけ、最初にご了承ください。
私が一貫して大事にしているのは、Sackett 1996 が示した EBM の核です。
個々の患者のケアに、現在得られる最良の根拠を、 良心的に・明示的に・思慮深く 用いる。
この姿勢で、今日のお話を進めていきます。
少しだけ歴史の話を。
EBM という言葉は、1991 年に私 (Guyatt) が単著で初めて使い、1992 年の JAMA 論文で世に問うたものです。
それから 30 年以上が経ち、EBM は世界中に広がりました。
しかし、広がる中で、誤解も同じくらい広がってしまいました。
最初に一つだけ、強調しておきます。
EBM は、医師の経験や直感を否定するものではありません。
経験と直感を、エビデンスという「外部の鏡」 に照らして検証する。 その習慣こそが、EBM です。
「EBM = cookbook medicine、つまり料理本医療」 「EBM = 経験軽視」
—— こうした批判は、今も根強くあります。
しかし、これは 誤解 です。
経験は不可欠です。ただし、経験だけでは見えないものがある。 そこを、エビデンスが補ってくれる。
それが EBM の本来の意味です。
今日は、仮想の A薬 を題材にして、
基礎研究 → RCT → SR / メタ解析 → 診療ガイドライン
という順番で話を進めていきます。
「効果がある」 と並べるだけでは不十分です。
不確実性を正直に示し、患者にとって何が重要かを一緒に考える。
—— これが、今日の通底するテーマです。
参考文献
- Guyatt GH. Core GRADE 講演 (2025年12月). MAXマスター大学 Department of Health Research Methods, Evidence, and Impact.
- Guyatt GH. Core GRADE シリーズ Q&A 集 — エビデンスから推奨へ至る批判的吟味のポイント。
- Guyatt GH, et al. Core GRADE 0: Introduction to the Core GRADE approach to rating certainty of evidence and strength of recommendations.
- Guyatt GH, et al. Six questions to assess clinical practice guidelines — focused on critical appraisal by clinicians.